昔に概要だけ聞いた「無限の蔵書を持つ図書館」の話を読みたくて購入。神話か世界の七不思議的な読み物かと思ってましたが、割と近代の作家さんのものでした。タイトルは『バベルの図書館』。作者はJ.L.ボルヘス、短編集「伝奇集」に収録されています。

1冊410ページ(1ページは40行80文字)の中身はコンマとピリオドを含む25文字のあらゆる組合せ。本の内容がかぶることなく蔵書された立体的にほぼ無限に広がる図書館に住む司書の回想です。

全ての本があるので見つけられれば有名な叙事詩も、400ページずっと「a」で埋まっている本もあると。むしろ意味のない文字の羅列の本が圧倒的に多いでしょうが、蔵書の数はタイトルの通りです。

意味のある本をうっかり破棄してもちょっと誤字脱字のあるほぼ内容が同じ本も無数に存在するって言う。十数ページの短編ですが途方もない気分に浸れました。

ところでこのバベルの図書館の「総当たり」で作成された本を昨今取りざたされている大規模言語モデルを使って意味の通った本かどうかを判定する事は可能なんでしょうか。意味があるのかどうか解らない本に出会っては自分の生の意味を考える機会を司書から奪う事になるのでしょうか?

25の1,312,000乗” への4件のフィードバック

  1. 通過儀礼?20前半ペーペーの頃、シュールリアリズムとか純文学とかSFとか概念とか、さまざまな「コトバ」に反応を始めた頃、ガルシア・マルケスがノーベル賞を取り寺山修司さん・稲垣足穂さん・澁澤龍彦さんなど、一躍脚光を浴びた頃、
    ボルヘスもマルケスも読んだけど、二度読み返すエネルギーはない…だから、内容はすっかり馬耳東風だな。
    かろうじて「幻獣辞典」というタイトルと、寺山映画「さらば箱舟」くらいしかアタマに残っておらず。
    耽美系好きの女子大生と大して変わらんかも…

    ちょうど、映像ではハイビジョンが開発されていく頃で、幼なじみがパナソ研究所で開発に携わっていたこともあり、晴海のデータショーで特別に解説してもらったりした。
    当初の画質は「高精細なんだろうけど、絹のようなヌメヌメした、砂絵のようなサラサラした、箱庭のよう」と思った…なんでこんな話を持ち出すかというと、

    少し後に、ピーター・グリーナウェイが「プロスペローの本」という作品を、NHK技術協力でハイビジョンEEDで仕上げた。出来映えを見て「あぁ、純文学のような世界を表現するには、Digitalが必要なのか!?」と強烈に思った。
    寺山さんが「いまのCG表現」を自由に使えたなら、どんな映像を残したのだろうか?とか。
    CGの表現世界は、文学的にも最重要である!というK下のオチ…(^^ゞ
    なんや、いろいろ固有名詞書いたけど、万一興味があれば、検索してね。
    以上、いきなり「ボルヘス」の名前に反応してしまった爺です。

    1. Hiroshi Takashima

      2023-07-22 — 01:04

      お久しぶりです。コメントどーも。
      結局1/3も読めませんでした、「伝奇集」。

      プロスペローの本、テンペストのやつですね。
      先日放映が終わったガンダム「水星の魔女」にプロスペラってキャラクターが登場してました、エアリアルとか、キャリバンとかも。万一興味があればアマゾンプライムで。

  2. なるほどね。過去に接した偉大な表現に関して、
    アタマに残っている自身の体験・記憶=発想、MOTIF
    リスペクト=理解、展開、発信
    で、自身の表現として成り立つか?真似しぃ!と言われるか…
    2小節以内はセーフ ( ´-`) としてもいいと思う

  3. ごめん、
    「プロスペラ」というキャラクターが設定されたことに関して書いた。
    何の話かわかりにくかったかも…

    身の回りに素材がコロコロしている!という話もある。

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